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コラム|Songs of Protest ―音楽で差別を知る― Marvin Gaye

Songs of Protest 音楽で差別を知る - Japan for Black Lives

アメリカの黒人文化と人種差別に対する抗議は切っても切れません。発言力を持たされていない黒人たちが、思いを芸術に昇華し、それがまた彼らを勇気づけてきました。このコラムでは特にメッセージ性が強いそんな曲を歌詞の和訳とともに紹介します。


Marvin Gaye – What’s Going On

歌詞和訳

マザー マザー 泣いている母親たちが多すぎる
ブラザー ブラザー ブラザー 死んでいく兄弟たちが多すぎる
見つけなきゃいけないってわかってるだろ
今の時代に愛を表せる方法を

ファザー ファザー エスカレートしなくてもいいだろ
戦いは正しい答えじゃない だって憎しみを征服できるのは愛だけだ
見つけなきゃいけないってわかってるだろ
今の時代に愛を表せる方法を

ピケラインや プラカード
僕を暴力で罰さないで
話そう そしたらわかるさ
何が起こってるんだって
何が起こってるんだ

マザー マザー みんな僕らが間違ってると思ってる
でも僕らを決めつけるなんて 彼らは何様なんだ
単に僕らの髪が長いだけなのに
見つけなきゃいけないってわかってるだろ
今の時代に理解を深める方法を

ピケラインや プラカード
僕を暴力で罰さないで
話そう そしたらわかるさ
何が起こってるんだって
教えてくれ 何が起こってるんだ
教えるよ 何が起こってるか

解説・考察

1971年に発表されたこの曲は、リリース元のモータウンというレーベルで当初、政治的過ぎるという理由で却下されました。それもそのはず、マーヴィン・ゲイはそれまでデュエットパートナーのタミー・テレルと数々のヒットを飛ばしていましたが、このようなメッセージ性の強い曲は出していなかったのです。マーヴィンはそれまでの小綺麗なイメージも変えるようにヒゲをたくわえ、それ以降はスーツスタイルをやめてもっとカジュアルな服で登場するようになります。

時はベトナム戦争中、黒人たちは兄弟や仲間が前線で命を懸けて戦うためにベトナムに送り込まれ、アメリカ国内では抗議運動をする黒人の若者たちが暴力的に抑えつけられていました。What’s going on? というフレーズは、ベトナム戦争からの帰還兵が「俺が留守の間どうしてたかい」と聞く質問であるとともに、「一体何が起こってるんだ」と問う社会への訴えでもあります。

この曲は瞬く間に大ヒット、収録されたアルバムはチャートで1位を獲得するばかりか、1年間チャートインし続けることになります。30年後の2001年にはエイズに苦しむアフリカを支援するチャリティーソングとして、この曲が当時のオールスターによってカバーされたため(その名もAll Star Tribute)、R&Bやソウルが好きな人であれば一度は聞いたことのある曲です。そのメッセージが単にベトナム戦争に限らず、今でも、そしてきっとこれからも通ずる普遍的なものであることは間違いありません。


Japan for Black Livesについて

わたしたちは、日本国内にある黒人差別の現状を、日本にいる多くの人に認識してもらうべく発信しています。差別問題はまず現状を知ることから始まります。そして学び、当事者の声を聞いて共感し、共に声を上げ、改善するアクションを起こし、ともに世の中を変えていきましょう。メンバーは こちら。お問い合わせや講演などのご依頼はメールでお願いします。

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