〉人種差別的な職務の改善を求める署名に賛同ください

レイシャルプロファイリングの経験者として「人種差別的な職務質問をやめさせよう訴訟」の記者会見に参加して|Racial Profiling in Japan

2024年のBlack History Month* が始まりました。1つ目のトピックは、2024年1月29日に3名の原告と弁護団が東京地方裁判所で提訴した「人種差別的な職務質問をやめさせよう訴訟#STOPレイシャルプロファイリング)」にフォーカスしたいと思います。

This article is available in English here. / この記事の英語版はこちら

人種差別的な職務質問をやめさせよう訴訟

「人種差別的な職務質問をやめさせよう訴訟」の概要や争点について詳しく知りたい方は下記のサイトをお勧めします。

提訴会見レポート「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」(CALL4)

プレスリリース

ポリタスTVに弁護団と原告が出演しました

私自身の職務質問の体験

私は複数回職務質問を受けてきました。
踏切や青信号の横断歩道を渡った先で待ち伏せをされていたり、バイト先に移動しているときにふと声をかけられたり…
キリがない、辛くなるだけなので、何回職務質問をされたのか数えておくことをやめてしまいました。

例えばこういったことがありました。

警察官「はい、ちょっと止まってー。これ誰の自転車?」

わたし「わたしのです」

警察官「名前教えて」

わたし「どうしてですか?」

警察官「この辺で自転車が窃盗があったからねー」

わたし「この色の自転車だったんですか?」

警察官「防犯登録を確認させて」

わたし「この自転車と同じ型とか色じゃないならおかしいじゃないですか」

警察官(無線で防犯登録の照合らしきことを始める)

   「名前!教えて!」

わたし(異様な雰囲気に怖くなって答える)

警察官「え?」

わたし(もう一度名前を言う)

警察官(全く違う名前を大声で無線に向かって叫んでこう付け加えた)「外国人です!」

わたし「外国人じゃないです」

警察官(めんどくさそうにわたしをチラッとみて)「帰化した外国人です!」

わたし「帰化してません」

警察官(無線をやめてわたしに向き合って立て続けに質問をする)「夜の仕事?(国名)の人?」

わたし「夜の仕事?していないです、高校生です、日本人です」

警察官「夜の仕事はしてない?身分証見せて」

この調子で質問が続き、わたしは多くの人が行き交う歩道でカバンと財布を開けて、警察官に身分証を見せました。

警察官「外登録証(外国人登録証の意味(現在は在留カード))は本当にないのね?」

その警察官は最後まで質問し続け、わたしはこの職務質問に対応したことで用事に遅刻をしました。


上記のエピソードは高校生のころのエピソードです。高校生だったわたしは職業差別、外国人に対する差別、特定の国の出身者に対する差別、性差別、人種差別に対する準備があまりにもできていませんでした。

帰宅してこのことを親に話すと職務質問を受けた際の対応を教えられました。

  • 声をかけられたらすぐに両手をみえる場所にだす
  • ハキハキと返事をする
  • 反抗的な態度を取らない
  • 自転車の防犯登録が見たいと言われたらすぐに番号を見せる
  • 警察官とは一定の距離を取る

数ヶ月後また職質にあいました。
(またか)と私にしてはめずらしく、少々ムカつきました。
1回目に身分証を求められた時、「ただ移動していただけなのにおかしい」と言い、すぐには見せませんでした。

このことを親に伝えると、反抗的なことをしたら捕まっちゃうかもしれない!心配だよ、と切実な表情で言われました。

「お願いだから警察に従って」

なにげない日常のふとした瞬間にやってくる、不審事由のない人種差別的な職務質問に何度も時間を奪われ、差別され尊厳を踏みにじられます。これがわたしの生きる日常です。

不審事由とは

「何らかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者」を言います。「不審事由」があるかどうかは、動作や態度等が不自然かなどまわりの状況から判断して合理的に判断されます。

訴訟で戦う原告の皆さんと世界を変えたい

わたしがレイシャルプロファイリングという言葉を知ったのは、Black Lives Matter(「黒人の命も大切だ」運動)が大きな潮流となるきっかけになったジョージ・フロイドさんの事件でした。

そして自分自身に起きていることもまた、レイシャルプロファイリングなのだと知りました。そこから意識的にレイシャルプロファイリングについて、情報を集めて学ぶようになりました。

この問題に声を上げることを難しくさせているのは、「日本人」「外国人」という区別で単純化して、当事者の声を抑え込む心無い言動がSNSで多く見受けられることも、ひとつの要因です。

そんな中、3名の方が原告となり、顔と名前を出して訴訟をおこされた勇気に、わたしは深く感銘を受けました。
原告3名はパキスタン生まれで日本国籍を取得されてた方、南太平洋諸島の国で生まれた方、そしてアフリカ系アメリカ人の方です。さまざまなルーツを持つ方がこの問題と直面しているのだと実感しました。

記者会見に参加して感じたこと

2024年2月1日に実施された記者会見にて、参加者としてお話を伺いました。当日は弁護団の谷口さん、原告のモーリスさんが登壇していらっしゃいました。(おふたりの紹介はこちら

これまで何度も職務質問を受けてきたモーリスさんが語る言葉には、強い覚悟が滲み出ていました。
特に印象に残った発言を紹介します。
英語で話していらっしゃったので、わたしなりに訳した日本語訳を記載します。

日本には愛のためにやってきた。そして、ここで愛を育んできた家族がいる、ここでおこしたビジネスがある。「嫌なら出ていけ」という言葉を何度もかけられてきた。ここに生活の全てがあるのに、誰がそんなことをするのか。

どの職務質問がきっかけになったということではない。たくさんの小さなことの積み上ってこの裁判の原告になろうと決めた。(立ちあがろうと心に決めた職務質問があったのかと問われて)

日本にはさまざまなルーツの人が住んでいる。その人たち、そして次の世代のために、身代わりになる (I would take a bullet)と決めた。必要ならもう一度なったっていい (I would take a bullet again )。

モーリスさんの言葉

わたしはモーリスさんの言葉に共感するだけでなく、感情が強く突き動かされました。
そして、同じ問題に直面している人が決めた覚悟をどのようにサポートできるだろうかと考えました。

サポートできること

SNSアカウントのフォローそしてシェア

「STOPレイシャルプロファイリング」の公式アカウントがあります。今後の訴訟のアップデートもこちらでしていくので、ぜひこちらをフォローして、気にかけていただきたいですし、まわりの方にも広めていただきたいです。

  • X(Twitter)@STOP_RP_
  • Facebook @stopRPjp
  • Instagram @stoprpinjapan

署名

人種差別的な職務質問の改善を求めます #STOPレイシャルプロファイリング

レイシャルプロファイリングは、公権力による人種差別であり、人間の尊厳を損なう重大な人権侵害です。改善を求める署名にご協力ください。

署名はこちらから

クラウドファウンディング

人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟|#STOPレイシャルプロファイリング

日本に住む外国ルーツの人たちが安心して暮らせる社会を実現するために、どうかご支援のほどよろしくお願いいたします。

寄付はこちらから

また、傍聴に行く、ニュース記事やSNSの投稿にヘイトスピーチがあったら、通報したり👎🏽ボタンを押すといったこともできます。

そして何より学び続けること。

人種差別的な職務質問について学びたい人のためのコンテンツ

動画で実際の職質や問題点を知る

記事を読んで実態を知る

映像コンテンツで学ぶ

マンガで学ぶ、レイシャル・プロファイリング書籍

アンケート調査結果

2021年度 外国にルーツをもつ人に対する職務質問(レイシャルプロファイリング)に関するアンケート調査 最終報告書 / 調査主体 東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会

さいごに

記者会見がはじまる際、モーリスさんが谷口弁護士と肩を組んで、「わたしの弁護士だ」と笑顔で紹介しました。
私にとっては印象深いシーンでした。

谷口さんをはじめとした弁護団の皆さんは原告3人の弁護士であるだけでなく、人種差別的な職務質問に苦しんできた全ての人の弁護団なんだと感じました。
原告の3人は、これまで苦しんできたことが、自分のみならず、ほかの多くの人々にまた起きないように声を上げてくれています。

この勇気ある行動は Black History Monthに現在進行形で歴史を刻んでいると思います。
もちろんブラックルーツを持つ人の歴史だけに限ったことではありません。
この問題に無関係な人はいません。

絵、歌、詩、報道、SNSなど自分ができるスタイルで人種差別的な職務質問がなくなるためのアクションを起こしましょう。

Black History Month(黒人歴史月間)とは

Black History Month(黒人歴史月間)は、アメリカやカナダなどいくつかの国で毎年2月に行われるイベントです。この月は、アフリカ系アメリカ人の歴史や文化、功績を称え、彼らの貢献を広く認識することを目的としています。

この記事について

メンバーであるエリカのジャーナル「普通を捨てた、そのさきに」の記事である「レイシャルプロファイリングの経験者として人種差別的な職務質問をやめさせよう訴訟の記者会見に参加して」を川原直実が加筆・修正・編集したものです。


Japan for Black Livesについて

わたしたちは、日本国内にある黒人差別の現状を、日本にいる多くの人に認識してもらうべく発信しています。差別問題はまず現状を知ることから始まります。そして学び、当事者の声を聞いて共感し、共に声を上げ、改善するアクションを起こし、ともに世の中を変えていきましょう。メンバーは こちら。お問い合わせや講演などのご依頼はメールでお願いします。

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