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日本の職務質問「レイシャル・プロファイリング」という差別|Racial Profiling in Japan

以前、東京駅構内でブラックハーフの日本人男性が職質を受けている動画を公開しましたが、今回また、警官によるレイシャルプロファイリングでの職質の情報提供がありました。動画とともに、本人が語った状況を説明しています。偏見に満ちたと職質の様子と、傲慢な警察の態度に怒りを覚えます。

日本の職務質問「レイシャル・プロファイリング」という差別|Racial Profiling in Japan

2021.6.11 夕方頃、千葉県行徳にて

職質された男性は、27歳、ナイジェリア系のハーフで、ドレッドロックスの日本人。日本生まれ育ちで、母国語として日本語を話します。この日は病院の帰り。病院から出て徒歩1分ほどの薬局に向かおうとしているところでした。

病院から出るとすぐ、パトカーから警官がまず一人、彼の元へまっすぐに向かい、職務質問の声掛けを始めます。動画はそのあたりから始まっています。

人通りのあるところで無線で名前を読み上げるという人権侵害、一貫した傲慢な態度、許可なく財布の中身を捜査、最後に謝罪は一切無し

青年が身分証を取り出すやいなや、警官の一人が名前を無線で読み上げて、本部と何かを確認しようとしたそうです。まるで犯人扱いのようなこの行為に、青年は驚きたじろぎ、思わず動画を止めそうです。その間に、もうひとりの警官が財布を自然に手から取り上げ、中身をくまなくチェックしたそうです。一言の断わりもなく、その様な行為に及ぶことは非常識極まりないです。

散々チェックした結果、もちろん何も出てこなかったので、もう言っていいよ、という感じで開放されたといいます。動画でも分かるように、彼の荷物は地べたに置かれていました。

レイシャル・プロファイリング(Racial Profiling)

警察による職質などの行為が特定の人種に対して偏っていること

レイシャル・プロファイリングとは、警察が、人種や宗教などに対する先入観から、黒人など偏った層に対して捜査をすることを指します。
アメリカでは黒人男性が他のどのグループよりも警察から止められる可能性が高く、警察から殺されるケースも多いです。アメリカで黒人が人口に占める割合は13%なのに対して、警察から殺された人に占める割合は25%にも及びます。

日本においても外国人が職質を受けることが多く、特に黒人の方で職質を短期間に何度も受けたり、ひどい場合一日に数回受けるという話も実際にあります。私たちが普通に生活している場面で殆ど職質を受けることがないのと同じように、彼らも日本で普通に生活しているのであれば、ただ肌の色が違う、国籍が違う、またはヘアスタイルがドレッドロックなど、黒人によく観られるものである、というような外見の特徴だけで職質の対象になり、公共の場でこの様な苦痛を受けるのはおかしいですよね。


私たちの存在意義とこの投稿について

私たちJP4BLの活動は、黒人差別や偏見から起こる問題への理解を深め、ともに学ぶことですので、今回この動画をシェアし、日本国内での差別の現状を通して皆さんの考えるきっかけになればいいなと思います。以下にこの動画を見る上で知っていただきたい事柄を挙げていきますね。

ステレオタイプ(固定観念)

多様化された現代において、陥ってはいけない単純化した思考

多くの人に浸透している先入観や思い込みのことで、偏見や差別的な意識とも関係しています。ポジティブなステレオタイプもありますが、逆もあります。ネガティブなステレオタイプの例として、「女性は家庭的な面がある方がいい」というステレオタイプから、料理が出来ない人や気が利かない人を「女子力が低い」と言ったり、血液型で性格を当てはめることもそうです。ハーフだから英語が話せる、黒人だからスポーツが得意、日本人はアニメ好き、田舎者は洗練されていない、など、世の中はステレオタイプで溢れています。ラベルを付けてそのグループに属する人をみんな一緒であると見てしまうことは、特に多様化された現代において、陥ってはいけない単純化した思考といえます。

ところがこの動画で警官は、何の疑いもなくさもありなんといった様子で「ドレッドヘアーでオシャレな人は薬物を持っていることが多い」と言い放っています。上記で説明したことを理解していれば、この発言がどれだけ問題となるかがわかるはずです。

2021年2月の東京駅構内でのレイシャルプロファイリングによる職質のケース

実は我々、今年1月にも、別のブラックのミックスレースの日本人が職質された件を取り上げたばかりなんです。国内外の数々のメディアに取材を受け、日本での職質の現状を広く共有できたと思っていたのですが、あれから5ヶ月弱で同じ様なことが起きるということは、警察がいかにこの件を軽視しているか、そして内部でも情報共有などが一切されなかったことが伺えます。

もちろん、この2件の間にも数え切れないほどの同じ様なレイシャルプロファイリングが行われていたであろうことも容易に想像できます。職質された人たちの中にも、日本語がうまく話せないことが理由で、もっと侮辱的な扱いを受けている人もいると思います。

参考リンク

職務質問に悩まされる全ての民へ… / ぶらっくさむらい

なぜ5年で30回もの職務質問? 東京での“Racial Profiling”に彼は声を挙げた

カラー・ブラインドネス

人種は見ない、関係ないという考え

Aさん
Aさん

「警官は肌の色に言及してない」

Bさん
Bさん

「それなのに肌の色を持ち出す方が差別主義者だ」

Cさん
Cさん

「職質は見た目で声かける人を選ぶしかないだろう」

この動画をTwitterで投稿したときに、上記のようなコメントを受けました。 「カラーブラインド」とは、もともとは人種で差別や区別が起きないように、人種を尋ねない、人種は関係ない、というリベラルな考えから来たものでしたが、それがネガティブに作用し、「人種がなければ、人種差別も存在しない」というような屁理屈が生まれ、人種差別が起きている現場でも、それをないものとしてしまう様なことが起こります。結果的に人種差別が黙認されてしまい、上記のようなコメントは、差別の加担者側となってしまいます。

間接差別

直接言及せずとも結果的に他のグループより不利益を被っている場合

ステレオタイプに対する認識が低いとはいえども、「あなたの肌の色が濃いから職質しました」なんてまさか言うわけないですよね?そして、警官はこのヘアスタイルと、「オシャレだから」ということを理由に声をかけたと自分で言っています。後者は完全に、髪型で声をかけたことを無理やりポジティブな理由にこじつけているのではないでしょうか?

そして髪型について。まずこの青年はブラックのミックスなので、彼にとってこのヘアスタイルは、ナチュラルであり、髪質的にも合っていて、彼らの長い歴史で築いたカルチャーでもあります。言わずもがなこの髪型をしているのが最も多いのが黒人の人たちです。 ここで、「間接差別」という概念がでてきます。「黒人」と言っていないから人種とは関係がないといように取り繕っても、事実として黒人の人たちが他のグループよりも職質を多く受けている、つまり彼らに不利益がある場合、これは間接差別に遭っていると言えます。

また、間接差別は日本において、男女雇用機会均等法などの法律により厳しく禁止されています。人種においてもアメリカでは取り締まられます。多様化が進む社会で、日本だからセーフという考えはおかしいですよね。

問題の本質

主観的な意見(エゴ)は何も解決につながらない

Aさん
Aさん

「やましいことがないなら職質に協力すればいい」

Bさん
Bさん

「ドレッドヘアーをやめればいい」

Cさん
Cさん

「被害妄想でしょ」「自意識過剰」

Dさん
Dさん

「警官が顔を晒されて可哀想」

動画に対してTwitterでこの様なコメントが見られました。どのコメントもこの問題の解決に一切つながりませんし非常に主観的です。差別問題で日本人に対して度々上がる声として、「共感力に欠ける」というのがあります。日本人は、日本に暮らしていればマジョリティ(多数派)グループに属するので人種差別に遭うことはありません。だからこそ、共感力が必要とされるわけです。もしあなたが差別問題に対してあまりよく知らなかったとしても、「よくわからないけど差別は良くないしなくなればいいな」と思っているのであれば、上記で上げた様な超主観的なエゴを、被差別者に対して絶対に向けるべきではありません。なぜならマジョリティの声や態度でマイノリティの訴えは簡単にかき消されてしまうからです。

よく、「黒人の差別問題に対してよく知らない自分が首を突っ込んでもいいのかわからない」という声を聞きます。ですが実際は、当事者でない周りの人たちが立ち上がって声を上げて、マジョリティという特権を惜しみなく行使すべきなんです。

例えばアメリカで、有色人種に対する不平等を、あらゆる職種で特権を持っている白人たちが一斉に立ち上がってなくそうとアクションを起こせば、少なくとも「制度的な人種差別(システミックレイシズム)」は一瞬でなくなるのではないでしょうか。だから、周りの人たちの声ほど重要なのです。BLM運動においても同じと言えます。

職務質問の現状

1人の地域警察官が年間通じて職質で犯罪を検挙するのは1件にも満たない

東洋経済にこの様な記事がありました。
記事全部上記リンクから読んで欲しいのですが、如何にポイントを抜粋します。

「地域警察官13万9000人に対し、職質による検挙件数は3万5334件。1警官当たりの検挙件数は約0.27件にしかならない。つまり、1人の地域警察官が年間通じて職質で犯罪を検挙するのは”1件にも満たない”のだ。」

よって、警察の再教育はもちろんですが、職質のあり方を一度考えるべきではないのかなと思いました。

差別問題においてやるべきでないこと

よくないと思うなら、どうあるべきか

もしあなたが、差別がなくなる世の中を望んでいるのであれば、被差別者側の精神的苦痛や、我々が想像だにしない日々のプレッシャー(たとえば警官を見かけるたびに、また声をかけられるかもしれないという緊張感がはしることなど)に対して、どうこう意見するべきではありません。「でも」も「だって」もなく、まず最初に共感しようとすることが大事だと思います。

  1. 彼らの苦しみを自分自身のものとして受け止めよう(共感)
  2. 怖くても立ち上がろう(周りに広める勇気)
  3. 自分が持っている特権を、それを持たない人へ譲り渡そう(周りの声の重要さ)
  4. あなた自身も痛みを感じても、話すべきはあなたのことではないことを理解しよう(エゴを押し付けない、特権側の立場でアドバイスをしない)

参考リンク

今あなたがアライ(味方)としてやるべきこと

人種差別問題。良き理解者・協力者でいるために、自分に問いたい13のこと

さいごに

みんなだれかの親であり、子どもであり、恋人であり大切なひとであることを忘れなければ、心無い言葉や態度を向けられないし、無関心でいられないのではないでしょうか?


私たち Japan for Black Lives について

私たち Japan for Black Livesは、黒人差別についての理解を深めてもらうために活動しています。メンバーはこちらInstagramTwitterFacebookLINE、そしてこのサイトを一緒に運営していただけるボランティアを随時募集しています。気になる方は各種ソーシャルメディアからダイレクトメッセージをお送り下さい。取材や講演のご依頼はメールでも受け付けています。japan4blacklivesにアットマーク以降はgmailです。

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