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コラム|「アフリカン・アメリカンの人々から見た私たち」彼らの目に、私たちはどの様に写っているのでしょうか?

Ryokoコラム - Japan for Black Lives

ブラック・カルチャーを愛する全ての人へ。このコラムは、6月3日に開催した第1回目のパネルディスカッション “Break the Silence, Break the Violence” の全ての通訳を担当した私の目線から、この問題について感じていることや、改めてパネリストたちの思いを自分なりに咀嚼して至った考えをまとめました。

THE 1ST PART

テリーについて

Brooklyn Terry - Japan for Black Lives

彼は私の友人テリーです。
このWEBサイト Japan for Black Lives のメンバーであり、先日のパネルディスカッション “Break the Silence, Break the Violence” の発起人です。

ブルックリンNYで生まれ育った彼は、陽気なナイスガイ、すばらしいDJであり、プロフェッショナル・ダンサーであり、二人のお子さんを育てる父として長年日本で暮らしています。彼自身のお母さんや家族はニューヨークにいます。

私たちが普段「ブラックおよび黒人」と呼んでいる、アフリカン・アメリカンである彼の視点から、私たち日本人が、そしてアジア人が彼らの目にどの様に写っているかをここで垣間見てみましょう。

誰が、何から、どの様に利益を得ていて、それがどの様に不当なのか

例えば日本人であるこの私が、彼らアフリカン・アメリカンの歌・ダンス・音楽・ファション・カルチャーに魅了され、

「ジャムセッションやライブで彼らの曲をカバーして歌ったり」
「ダンスを踊ったり」
「DJとして曲をかけたり」
「ファションやヘアスタイル、カルチャーに感化されたり」
「その歴史を知ることもなくゴスペルを歌ったり」

して、それらが私自身のパブリック・イメージ(世間一般で認識されるイメージ)を構築したとしましょう。つまり彼らの一部が私のアイデンティティの一部になるということです。ですがそんな「クール」な彼らが一方で、2020年の今もなお、苦しみや犠牲を強いられていことを私が知りもしなかったら。テリーはどう思うでしょうか?

では、その様な土台の上で私が収入を得ているとしたらどうでしょうか?

「ライターとして彼らにまつわる記事を書いたり、本を書いたり」
「レーベルとして彼らの音楽をディストリビューションしたり」
「彼らの音楽やカルチャーをを用いてダンサーやDJとして収入を得ていたり」
「MCとして、もしくはソウル・R&B・シンガーとして活動をしていたり」

そうやって収入を得、なおかつ

ヒップホップもブルースも、ただの「ジャンル」や「キャラクター」のひとつであるに過ぎない、というスタンスで(意図的である・ないに関係なく)作品づくりや活動をしていたりしたとしましょう。それをテリーはどう思うでしょうか?

さらに、アフリカン・アメリカンの彼らと一緒に仕事をしたり、関わりを持つことによって、私が成功しているとしたらどうでしょうか?つまり、ブラックカルチャーに恩恵を受けて収入を得ている場合、事実それが私という人間を形成する一部になっているということになります。

では、私が影響を受けたブラックカルチャーの源流にいる彼らの人権が不当に侵害されているのにも関わらず、成功した私が 自身の影響力を使って今アメリカで何が起きているのかを日本人に語りかけることはしないのに、流れに乗ってとりあえずBlackLivesMatterのハッシュタグをつけるだけ、フィードに黒い画像を流すだけ であるとすれば、彼らの痛みを深く知ろうともしない、つまり、ただカルチャーを搾取して恩恵を得ているだけということにはなりませんでしょうか?

日本風に言い換えると、SNSで社交辞令的に「お見舞い申し上げます」とだけ伝えるに留まったら、それをテリーはどう思うでしょうか?きっと慰めの「ポーズ」にしか映らないと思います。彼らの立場や境遇を経験していないのにも関わらず「明るい未来を信じよう!」みたいな上っ面のきれいごとでこの話を片付けていたら、それをテリーはどう思うでしょうか?

THE 2ND PART

なぜもっとわたしたちが注意を払ってこの問題について考える必要があるのか

なぜ彼らはその様に思うのでしょうか?「僕らのカルチャーを楽しんでいいよ〜、でもちゃんとリスペクトはしてね」というテリーの様な寛容な人もいれば、そうでない人たちもいます。

例えば私たちが愛してやまない彼らアフリカン・アメリカンの名曲の数々は、アーティストがスタジオで数日で完成させたものではありません。何世代にもおよぶブラック・コミュニティー全体の苦しみと戦いがあり、彼らが勝ち取った土台の上に成り立っているものです。(ぜひとも、ジャズソングやヒップホップの歌詞に注目してみてください。)

アフリカン・アメリカンの彼らは、常に自分たちのコミュニティーに貢献したいという気持ちでダンスや音楽やスポーツから政治に至るまで、様々な社会的なハードルを乗り越えながら日々を送っているのです。

その様な状況の中で、よその人たちがやってきて「オイシイとこ取り」をされたらどうでしょうか?ヒップホップにおいては特にですが、音楽と彼らの歴史を切り離して考える事はできません。よってアフリカン・アメリカンとして同じ経験しをていない限りは、それを貸してもらっていることになるのではないでしょうか?いつも「それ」を貸してもらっていることに感謝や敬意があるのであれば、行動が伴わないないなんてことないはずです。

影響力の大きいアーティストが、特に何も反応せず沈黙を通したとすると、其の人が持つ大勢のフォロワーやファンに対して、「我がもの顔でその恩恵は受けるが、あとはしれっと黙っておく」というネガティブなお手本を示していることになります。

「自分が立ち入ることではない・なんと言ったらいいか分からない」という人たちへ。400年にもおよぶ苦しみや歴史を知らんぷりしている、知らずにいる、もしくはそれを感じとることもできないのであれば、きっとそれを再現したり近づくこともできないでしょう。

そんな私には、ブルースを歌う資格もなければ「license to ill」が付与されることもないときっとテリーは思うことでしょう。もしこれを辛辣であると感じたり、受け入れがたいと感じるのであれば、きっと私たちは何も考えていなかったという何よりの証拠だと思います。


胸が締め付けられるような動画ですが観てください。自分の心が感動したい時だけ彼らの音楽やカルチャーを求めることに対しての疑念が生じるはずです。彼らは私たちを感動させるためにこんな苦しみを強いられている訳ではありません。

THE 3RD PART

自分で考えましょう

なぜここまでするのか?何よりもまずは人道的に間違っているからです。この世界には人道的に間違っていることは他にもたくさんあり、その全てを出来ることであれば解決したいとみなさんも思っているはずです。
まずは自分の生活やアイデンティティーと接点のあることから始めませんか?私個人は友人であるテリーをサポートしたいという気持ち、そして今まであらゆる人生の局面で自分を助けてくれたブラック・コミュニティーに恩返しがしたいという気持ちからこれを書き綴っています。

もうひとつは私が日本人としてこの国と人たちを想うからです。私たちが無知であるがゆえに、私たちが憧れを抱くアフリカン・アメリカン・コミュニティーの人々が、先に述べた様な観点で私たちを捉えているという事実をとても恥ずかしく、悲しく思うからです。今こそ日本人らしいきめ細やかな想像力を働かせ、思慮深さを発揮する時ではないでしょうか。

私も自分の無知から恥ずかしい思いを現在進行形でたくさんしています。自分の正しさを誇示したい訳でもありません。これからも新たに学んだり、間違いを正していくつもりです。特定の誰かを攻撃したい気持ちも一切ありませんので、ここまでは(ほぼ)一人称でこの文章を綴ってきました。ですので、アフリカン・アメリカン・カルチャーに多大な影響を受けたのであれば、もしくは不当な扱いによって孤独や疎外感を感じたことがあるのであれば、一緒に色んなことを考えていただけるきっかけになればと思っています。

影響力のある人がその影響力を行使してくれたならば、お金のある人ががそれを必要とする人々のために使ってくれたならば、英語を話す人が必要な橋渡しをしてくれたならば、何が起こるでしょうか?
私の様に何者でなくても時間があるならば 自分で感じる>考える>行動する ことでも何かをもたらすことができるのではないでしょうか。事なかれ主義や平和ボケが横行している状況と「平和である」という状態は、決して同義ではありません。前者はむしろ「平和」とは程遠い危険な状態です。

日本に居ながら世界の状況を感じ取るのには、確かに自主的な一手間が必要となります。メディアの責任も大いにあると思います。でも私たちはものすごいエネルギーを使い、好きなアーティストの情報を探したり、レコードを漁ったりしませんでしたか?お金を使って服やCDを買いませんでしたか?どうやったらあんな風に歌って踊って演奏できるのか、考えたりしませんでしたか?

ぜひ同じ熱意を持って真実を学び、調べましょう。ニュースでは報道されない事実事柄をソーシャル・メディアなどで知ることができる時代です。そして自分で疑問を持って考えることさえできれば、有用な選択肢を増やすことがでるはずです。考える時間さえ作れば、どんな教育を受けたにせよ受けていないにせよ、これらは誰にでもできるはずのことです。

必要な人とぜひシェアしてください。たくさん議論をしてください。今日から見て、感じて、考えて、行動しください。


私たち Japan for Black Livesは、黒人差別についての理解を深めてもらうために活動しています。InstagramTwitterFacebook、そしてこのサイトを一緒に運営していただけるボランティアを随時募集しています。気になる方は各種ソーシャルメディアからダイレクトメッセージをお送り下さい。

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